松井恵理子「にじようび。」全曲解説③
2017.1.25発売、声優として活躍中の松井恵理子(まついえりこ)さんの1st Album「にじようび。」をプロデュースさせて頂きました。少し制作よりになってしまいますが全曲解説していきます。
①「ワスレモノ」「G.I.R.L」編
②「理想ラビリンス」「デッサン」編
M5「ココニアルモノ」
(作詞:千綿偉功、作曲:千綿偉功、編曲:安原兵衛)
解説
シンガーソングライター千綿偉功(ちわたひでのり)くん作のギターロック!ひょっとすると今回のアルバムで一番重要な一曲なのかもしれない。これぞ、THE アニソン!と言っても過言ではない曲だよね。
松井さんは「カサブタ」(「金色のガッシュベル!!」OP)の千綿くんと言うが、僕は「Butter-Fly」(デジモンアドベンチャーOP)の作者の千綿くんのイメージの方が大きかったりする。彼も、シンガーソングライターとして洗練された世界を持ちながらも、こういった破壊力のある楽曲書ける素晴らしい音楽家だ。
今回、「J-POP」と「アニソン」(あえてジャンル分けしたけど)の世界を、うまく調和させてくれた人物が千綿偉功くんだったりする。曲はシンプルだけど高揚感あってライブ向きだよね。ギターサウンドがとても似合う。コード進行とか、繰り返しが多いんだけど、メロディがしっかり展開していく感じは作り方上手だなぁと思いました。
歌詞の入りも「世界の中には誰にも分からない不思議があるのさ」というスケール感もアニソンらしさを匂わせているのかもね。アレンジャーの安原兵衛くんも様々なジャンルを手がけるサウンドデザイナー。素直で自然に聴こえるけどイントロフレーズは技ありだ。
裏話
実は今回、千綿くんには最初2曲オーダーしたんだよね。ただ、〆切りまでの時間がないということで1曲のオーダーになったんです。その時に、すごく丁寧にじっくり音楽を作り上げるタイプなんだなと思いました。
同い年、千綿くん、ありがとう!
M⑥「Tsubaki」
(作詞:平義隆、作曲:平義隆、編曲:内田敏夫)
解説
The LOVEのいうバンドのボーカリスト「平義隆」くん作詞作曲のバラード。彼もプロフィールをそんなに出していないけど、うっとりするような素晴らしい楽曲と、びっくりするような実績を持っているシンガーソングライター、そして作家さんだ。彼はとにかく和メロが似合う。男性なのに、女性言葉で歌ったオリジナル曲も数多くある。「です、ます」調を入れ込むのもうまい。女々しさとか、哀愁感を書かせたらピカイチだと思う。
今回まずオーダーした楽曲が、和メロバラードでした。本当に予想以上の楽曲が仕上がってきました。何と言ってもDEMO音源の仮歌が素敵!歌、上手いし、声もいいから、そのまま発売出来てしまうようなクオリティだったよね。
レコーディングの時だけど、松井さんがはじめてKeyを半音下げたいと言ったんだよね。今までお願いしたKeyで要望通りほぼ完璧に歌ってきたのに。何か、メロディと歌詞のテイストを表現するのにトーンを抑えたかったんだとか。。
なるほど、さすが。。しかし、この表現のこだわりは半端ないよね。
すでにアレンジやギターレコーディングも完了した状態でしたが、もちろん唄の世界感重視だったから、半音下げでレコーディングしなおしました。
アレンジャーの内田さん、ご迷惑をおかけいたしました。
曲順は迷ったけど、「ココ二アルモノ」の緊張感から、「Tsubaki」への安心感が狙いでした。
さらに続く。。。
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