松井恵理子「にじようび。」全曲解説④
2017.1.25発売、声優として活躍中の松井恵理子(まついえりこ)さんの1st Album「にじようび。」をプロデュースさせて頂きました。少し制作よりになってしまいますが全曲解説していきます。
今回は第4弾!
①「ワスレモノ」「G.I.R.L」編
②「理想ラビリンス」「デッサン」編
③「ココ二アルモノ」「Tsubaki」編
M7「子猫のRuby」
(作詞:近藤薫、作曲:近藤薫、編曲:HASSE)
解説
実は「デッサン」を松井さんに渡した時の4曲Demoのうち、もう一曲採用になった曲というのはこの曲なんです。
- そのお話はこちらから
アルバムの中でも一番ストーリー感がある曲なんじゃないかな。どこか短編小説としても成り立つような曲にしたかったんです。曲の骨組みが出来た時に鼻歌で、すでに「ラララ…子猫のRuby」まで口ずさんでました。
- ラララに歌詞を付けるか!
- または「Ruby」だけ残して子猫を別のワードにするか!
- そのまま「子猫」も生かすか!?
などなど、いろいろ試行錯誤しました。ただ松井さんは表現者だからね、なんらか物語性とか、語り調の曲があってもいいんじゃないかと思って、今回のコンセプトに決定!
「朝出勤前にバタバタしているOLさんと野良猫の物語」
急いでうちを出たら、階段の所で寂しそうな目でこっちを見ている子猫と出会って、急いで電車に乗らないと遅刻しちゃうけど、あまり気になってしまい、気づけば抱きかかえてお部屋に戻ってしまうという話。
忙し過ぎて気づかなかった事を「Ruby」が教えてくれたという歌だね。
ストーリーのさらなる展開は是非、歌詞カードを見てください。
SE
制作裏話としては、最初のピアノイントロの前のSE(Sound Efectの略)かな。
この曲は歌詞とアレンジと並行して進めたのですが、アレンジャーのHASSEと打ち合わせして発注した時は、子猫の物語としか決まってなくてね、HASSEはCafeのそばにいる子猫を想像したようだ。歌詞が完成して再度打合せをした所、「部屋の中の子猫」の物語と分かって、あら、どうしようか、、となったんだよね(汗)
ただ、Cafeでも部屋でも「日常のノイズ」という意味では同じ匂いがしていいんじゃないかなと思ったんだよね。
松井さんの語りかける歌声も成功して、とてもハートウォーミングな曲になりました。
M8「じゃんだらりん」
(作詞:近藤薫、作曲:近藤薫、編曲:沢頭たかし)
解説
ライブ用の楽曲が欲しくて準備した楽曲、「コール&レスポンス」がハマるような。ちょっと分かりやすい、思い切りのいい、ザックリしたギターサウンドの感じが作りたかった。サビ頭でガッツリ繰り返せるフレーズが欲しくて探していました。
実は「Oh yeah」でも「Wow Wow」でも「I love you!!」でも何でもいいから、音として存在感あるフレーズが欲しかったのです、意味合いは二の次でした。ただ、意味も音としても存在感のある言葉を見つけたんです(笑)
松井さんのブログのタイトルにもなっている「じゃんだらりん」
魔法のコトバ
「じゃんだらりん」という言葉は松井さんにとっても思い入れのあるフレーズだと思うんだ。三河弁を象徴するフレーズ。それは「魔法のコトバ」「この自分がいる現在(いま)は、あの頃が作り上げてくれた」というのがこの曲の大テーマ。
松井さんに「じゃんだらりん」をキーワードにした曲はどうだろう?と聞いた時に、「いいですね!」という返事と同時に、愛知県出身だから「愛」と「知(る)」のワードを是非入れたいとアイデアをもらいました。
それは面白いなぁと思い、完成させたフレーズが「愛を知って、知った愛が巡り巡って笑顔になる」というもの。
郷土愛いっぱいのライブソングが完成しましたね。
僕も愛知県出身なので燃えました(笑)いつかセルフカバーしたいなぁ。
にじようび。
さらに続く。。。
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