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ミュージシャン、クリエイターの経理事情。最低限知っておいた方がいいルール

筆者
こんにちは、音楽家の近藤薫(@kondo_kaoru)です。

6年ほど所属した、芸能、音楽事務所を辞めて、フリー(個人事業主)になり、自分のマネージメントセクションを法人化してから約8年。

もともとアーティスト、制作畑の人間だからいまだに経理の事とか詳しくないし、経理スタッフさんや、税理士の先生に頼りっぱなしのところが多いですが、なんとなく最近、少しづつお仕事をしてお金をもらったり、お金をお支払いすることのやり方、お国様とのお付き合いの仕方(税金とか)が分かってきました。

そんな中、本来、演者であるはずの自分がその部分を出さずに、ただのいち経営者としてミュージシャンやクリエイターのみなさんとお付き合いする事が増えました。アーティストマネージメントだったり、イベントブッキングだったり、制作仕事の発注だったりね。

そのミュージシャンたちがどこかの会社(事務所さん)に所属している方なら、会社同士の取引なのでスムーズなのですが、フリーの子達とやりとりすると困ることが時々あるんです。

自分がフリーになったころの事を考えると確かに分かってなかったことが多いから、誰も責められないんだけどね、やはりフリーで活動していくのだったら、経理回りの知識も少しはあった方がいいと思うんです。

そこが通じなくて、制作会社さんと口論になったり、もめたりすると、めんどくさがられて、クライアントから仕事が来なくなっちゃうなんてこともあるから。

アーティストと経営を兼業している立場から、フリーの皆さんに最低限知っておいた方がいいと思う事を超簡単にご紹介。

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知っておきたいルール

源泉徴収税

これ、意外と知らないフリーミュージシャンが多いんですよね。請求書を頂き、報酬を振り込む際に「源泉徴収税」を引いて振り込むと、「あれっ、少ないですよ!」と連絡が来たりする。

源泉徴収税とは?
報酬を支払う側が、支払う際に、報酬額から事前に税(所得税)を引いて支払いを行うルール。

これ、職種によって源泉徴収を義務付けられている業種と、源泉徴収しなくていい業種があるのですが、ミュージシャン、クリエイターは支払い対象業種なのです。

理由

本来、年度末に申告後に、計算して支払えばいいのに、ミュージシャン、クリエイターは、ちゃんと申告しない可能性もあるだろうから、先に一定額支払っておいてもらいますよ。企業さんはフリーの方に振り込む時に、こちら(国)に、決められたパーセンテージを先に入れておいてくださいね。それで、後から、各々、確定申告してもらって、帳尻合わせて返金しますよ、的な感じなのでしょうか。少し乱暴な説明かもしれませんが。

源泉徴収税の計算式は、報酬額×10.21%
(2018年4月29日現在)

ずっと10%という数字でしたが、平成25年から、復興特別所得税(復興税と略して呼ばれています)というのが付いて現在は10.21%という数字になっています。

復興税が付く前の時代は10%ということで、演者さんに支払うときなど、「並び」でギャラを払うなんて事が定番でした。例えば30,000円のギャラなら、3並びと言って「33,333円」を請求してもらい、10%、源泉徴収税を引いて、30,000円、丁度を支払う感じですね。

はじめはクエスチョンマークだらけのとっつきにくい制度ですが、覚えておいた方がいいと思います。

分からないフリーミュージシャン達に説明するのも、企業側の仕事ですが、中には面倒くさがる担当者もいますから。時々、担当者も分かっていないときありますけど。

物販手数料

ライブ後に、そのお借りした場所で物販をすると、売り上げに対して手数料を何パーセントかお支払いすること

例えばCDやグッズを、タワーレコードなどCDショップ(小売店)で販売すると、お店や、流通会社の取り分を引かれて、自分に入ってくるお金ってだいたい50%位です。当然、小売店は人件費、宣伝費、場所代もかかるわけなのでそういうことになります。

CDショップなど流通経由で販売しているときは何となく理解しているのに、自分たちで手売りを始めた時に、お店などに手数料お支払いするのを疑問に思う子が多いです。当然、自分で会場費を支払ってライブをするライブハウスとかであれば手数料などを支払うことはありません。(時々、何パーセントか請求してくるライブハウスもありますが)

ただ、会場費を無料で提供してくれる商業施設や、カフェなどの場合、物販手数料などを売り上げからお支払いするような場合があります。無料で、場所を借りて、その場所に何も還元せずに帰るなんて基本は出来ませんよね。

もちろんその商業施設の担当者激押しアーティストや、そのアーティストがライブすると館内中人で溢れてしまうような、宣伝効果のあるアーティストなら、一円もいらないのでライブしてくださいになるかもしれませんが、場所側に利益がないと、普通やらせてくれません。

これを分かってないアーティストにも時々出会います。みんな親切で動いてくれているように見えて、ある程度自分の会社にメリットがないと動いてくれませんよ。

アーティスト
「なんで、10%とか20%払わないといけないんですか?」

となり、毎回説明会が始まったりします。

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まとめ

ミュージシャン、クリエイターは表現する事、創作する事だけに集中していれば本来は良いのでしょうが、それは事務所やレコード会社、エージェントが付いてくれているときです。個人で采配しなくてはいけないフリーランスの人はある程度理解しておかないと、

(「分かってない人」「やっかいな人」=「めんどくさい」「仕事したくない相手」)

になってしまいます。

最低限のルールは勉強したいですね。
(自分へのメッセージも込めて)

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ABOUT US
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KONDOKAORU.JP編集部
KONDOKAORU.JP編集部とは、音楽家 近藤薫の活動、また音楽業界の動きをを様々な角度から発信していく編集チーム。

【編集長 近藤薫プロフィール】1999年ポリドール(現ユニバーサルミュージック)より、メジャーデビュー。2002年バンド解散後ソロとして活動を始める。【主なソロ作品】「ハロー&グッバイ」「風に乗っかって」(「テニスの王子様」ED曲など関連作品)【楽曲提供】V6/AKB48/東方神起/テゴマス/Juice=Juice/℃-ute/アンジュルム/下野紘/DEEN/柏木由紀/マオfromSID/鈴村健一/松井恵理子/dela/太田克樹/ROSARIO+CROSS/dela/出口陽 など。