はじめに
こんにちは、音楽家の近藤薫(@kondo_kaoru)です。
もはや説明不要の編曲家(アレンジャー)「萩田光雄さん」のトークショーに行ってきた。もちろん現役バリバリで活動されていますが、特に70年、80年代のご活躍が凄まじい。タイトルと曲が一致しないなんてことはあると思うけど、大抵の人が萩田さんの音楽を一度はどこかで耳にしているはずだ。
萩田光雄の最高傑作は間違いなく「異邦人」なんだろうけど、「飾りじゃないのよ涙は」みたいな攻撃的なアレンジも光るものがあるよな
— 苔坂 (@kokekoke_46) 2018年6月21日
萩田光雄先生の講演会に行ってまいりました。萩田先生の手がけた音を聴いたことのない人はおそらくいないのではないでしょうか?音楽愛に溢れた、とても素敵な時間でした。さらに音楽が愛おしくなったよ。 #作曲 #編曲 #アレンジャー pic.twitter.com/dBfCeN5XU6
— 近藤薫✴︎音楽家✴︎ (@kondo_kaoru) 2018年6月21日
萩田光雄さんのトークショー行ってきた。本持ってったら、サイン貰って写真まで撮ってくれた。声も手も震えて「いつもお世話になってます、いい曲だと思ったものの編曲家を調べると萩田さんばかりなんです」と言ったら
「そう言ってくれる人の為にやってきました。嬉しいです」と言ってくれました最高 pic.twitter.com/QnCA7EqsfE— さにー@70’s〜80’s昭和ポップス (@syowa_suki) 2018年6月21日
萩田光雄さんが『パチンコ屋で曲が流れ出した時にお客の手が止まるようなイントロを作ろうと努力してきた』と話していて、
これぞまさに編曲家だなと思った。— マーク・ウィテカー前環境大臣 (@tefsk) 2018年6月21日
手掛けた代表曲
- 異邦人
- 少女A
- 恋に落ちて
- プレイバックPart2
- 木綿のハンカチーフ
- イミテーションゴールド
- 横須賀ストーリー
- 待つわ
- 飾りじゃないのよ涙は
- 風の谷のナウシカ
- etc
数え上げたらきりがない。。。
編曲をする時に心がけてること
萩田さんはとにかく、印象的で美しいイントロを作る編曲家として定評がある。本日のトークショーのサブタイトルも「4000曲以上のイントロを作った男」だったくらい。。イントロは作曲家の仕事ではなく、何故か編曲家の仕事になっている。イントロは楽曲にとってめちゃくちゃ大事なのにね。
本日の講演で印象に残った言葉で、「パチンコ屋で遊んでいる人が、有線で楽曲がかかった瞬間に思わず手が止まるようなイントロ作りを目指している」というもの。
作曲家からの観点からいくと、楽曲の最大の聴かせどころは本来はサビのはずだ。なので、イントロがサビの印象を越えてはいけないとも言える。ただ、イントロがダメだと、その最大の見せ場であるサビまで気持ちをつないでもらえない。そういう意味でイントロは楽曲に感情移入をしてもらう為の助走なんだよね。
実際「プレイバックPart2」や「待つわ」「恋に落ちて」なんて、究極のサビが待っているのに、それが登場する前のイントロで、完全に心を鷲掴みにされてしまう。そんな状態で「究極のサビ」が来たら、完全にノックアウトされてしまうよね。
まとめ
最後に、現代のデジタルに完全移行してしまった音楽制作に関してどう思うか?と質問に「道具はデジタルで、感覚はアナログで」とおっしゃっていたのも印象的でした。
やはり実績がある人の言葉は深い。公演中何度もご自分の音楽を聴いて涙を流されていた。すでに他界されてしまった演奏者や仲間を思い出してしまうとのことでしたが、良いアレンジには良い演奏が絶対に必要、そのようにおっしゃっていました。このような温かいハートが良い音楽を生むんだなと感動しました。
お話を聞いて、また音楽が好きになりました。萩田光雄さん、ありがとうございました!
萩田光雄さんが書かれた書籍。編曲論を知りたい方は是非読んでみてください。作曲家やアレンジャーを目指している若いミュージシャンも必見ですよ。
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