
はじめに
インディーズと、メジャーの垣根が無くなって来たとは言え、まだまだ「メジャーデビュー」という言葉に魅力を感じているミュージシャンは多いのではないでしょうか。
僕はインディーズもメジャーも両方経験しているので、双方のメリット、デメリットは分かっているつもりです。
結論、自分の音楽のゴールをどこに設定するかで、どちらがいいのかは決まるのですが、今回は魅惑のワード「メジャーデビュー」のお話をしようかと思います。
インディーズと、メジャーの違いは、ここでは割愛します。ググれば違いに関して綴った記事はいっぱいあるはずなので。
一言で「メジャーデビュー」と言っても、レコード会社がどういう立ち位置になるかなど、いろいろなパターンがあります。
正直、その辺の条件がなんでもいいので、とにかくメジャーデビューしたいんだ!いや、<メジャーデビューという言葉を使いたいんだ!←ココ重要>という人は、今の時代、メジャーデビューは難しくないと思います。
メジャーデビューの形
①流通だけお願いしますパターン
このパターン、多いですね。
内容はどういうものかと言いますと、
CD(音源、ジャケット、その他もろもろ)にかかる制作費は、全部、アーティスト持ち(事務所持ち)、Music Videoなんかも事務所持ち。
レコード会社は制作費は1円も払いません。製造費(CDプレス代)も払いません!リスクゼロ。その代わり、うちの流通(ディストロビューション)のセクションだけ使っていいですよ(使わせてあげますよ)
そして、制作費、製造費支払ってないけど、流通手数料で売り上げの50%くださいね。(率はケースバイケース)というパターン。
※製造費はレコード会社が支払ってくれるというケースもあります。
これ、はたしてメジャーデビューと呼んでいいのでしょうか??
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②ある程度の枚数買取ってねパターン
①と違い、「制作費、製造費、半分出します、いや、何なら全額出します!その代わり、CD、3,000枚、事務所さんで買い取ってね。」というやつ。※枚数はケースバイケース
これに騙される人、多いですね。
予算を出してくださるという所に、引かれますが、1,000円のCDを例えば3,000枚買い取ると、約3百万です。言い方を変えれば、「3百万払ったらメジャーデビューさせてあげますよ」と言われているようなものです。もちろん売り上げからアーティスト印税や、事務所のロイヤリティがバックされるから、まるごと3百万のマイナスではないでしょうが、いくらなんでもなケースですね。しかも、最初にレコード会社が、お金を支払ってるという形になり、原盤権(音源の権利)も持たれてしまうというやつです(泣)
このケース、個人的には1番最悪だと思っています。

③君の可能性に賭けたいんだパターン
これが真のメジャーデビューと言えるでしょう。
内容は、
君達の可能性に我が社は賭けたいんだ、今はお客さんも少ないけど、絶対に売れると信じている!お金も、もちろん全部、レコード会社が出すし、プロモーションもする、専属の担当者も付ける(アーティスト担当と言って、「アー担」と言われる)、もし良ければ育成金として、契約期間、お給料も払う(事務所に)。枚数契約もしたい、契約期間中は売り上げが良くなかったとしても、約束の枚数は制作します」
これは100点の条件です。今、こんな優遇された契約はないでしょう。余程、インディーズで人気があって集客もあれば別でしょうが。
この形でメジャーと契約出来たら、「憧れのメジャーデビュー」なのかもしれません。

まとめ
③ほどの好条件じゃなくても、アーティスト側にお金を支払わせたら、メジャーデビューとは言いにくいのではないでしょうか。
もちろん原盤権を、事務所と持ち合う共同原盤契約とかいろいろありますが、今回ご紹介した①②は、ちょっと素直にメジャーデビューと喜べるものではないですよね。逆に①②の方法であれば、かなりの確率で「メジャーデビュー」という言葉には辿り着けるのではないだろうか。
ただ、条件が少しくらい悪くても、メジャーデビューの夢を掲げるのであれば、是非③のホンモノのメジャーデビューを目指して欲しいものです。