こんにちは、音楽家の近藤薫(@kondo_kaoru)です。
Vintage Guitarのお話です。今回はアコースティックギター寄りのお話しです。
Guitar
よく、50年代のGibson(ギブソン)が欲しい!とか、70年代以降のGibsonは使い物にならないとか、Guild(ギルド)は、70年より前のじゃなきゃダメだよとか、60年代のMartin(マーチン)、ニッパチ(D-28の事)の鳴りは言葉じゃ表現出来ない、アルペジオするなら絶対、Martinだ!とか、アコギマニア、そしてギターの達人達が、各々の言い回しで「ビンテージギター=素晴らしい」と語る。
僕も同じように人に語るし、実際ビンテージギターと呼ばれるものも何本か所有しているし、結果から言えば確かに素晴らしい。これは紛れもない事実。
ただ、何故ビンテージギターが良いのかを知らずに、みんなが良い!っていうから良いんだ!と脳みそに叩き込んで、未来へ向かうのは良くない。いわゆる「高いもの=良いもの」の理論。「安かろう悪かろう」のマインドでは、ギターを100%使いこなせない。
ビンテージが素晴らしい理由
①木(材質)
アコギはもちろん木で出来ている。木というのは環境によって物凄く変化する、変化していくものなのです。いわゆる「生きもの」なんです。例えば天気、雨が降って湿気が多いと木も湿気を帯びて鳴りが変わる。乾いていると音の鳴り、跳ね返り(ホールの中)も変わる。
その生き物である「木」ですが、人間と同じで生まれたて、若いうちは性格が変わりやすいんだよね。人格が形成、固まるのに時間がかかる。色々なプレイで音を出してやり、弾き方を叩き込んで、そして性格(音)が確定してくる。
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なので、若い木より、古い木の方が、安定感がある。いろんな事を学んできてるから音を出す思考が完成している、という事になるんです。なので、出来て数十年経った木は、「乾いた音がする」とか、「鳴りをコントロールしやすい」とか言うんだよね。よく口を揃えてビンテージは乾いた音がしますね、、とみんな言うけど、もちろんそうなんだけど、古い木だって、雨の日には湿気の影響を受ける。ただ、新しい木に比べて変化が少ないという事になるのです。
あと、木に関する最大のポイントは材質です。とても良い「材質」と言われ高級ギターに使用されている、「ハカランダ(ブラジリアン ローズウッド)」という木がある。この材質は、60年代に輸入規制のルールが出来てしまい、自由にギターに使えなくなってしまったんです。なので、単純にビンテージギターには良い材質が普通に使われてるということですね。今でも新品のギターにハカランダが使われたギターがあるけど、あれは規制が入る前に捕り貯めていたものと聞いています。
②作り手
今の時代は文明が発達して、工場で大量自動生産されていますが、昔は、職人が一本一本手でアナログで作り上げていたのです。ギターも精密だからちょとした部品の形や角度で音がメチャクチャ変わるんです。それを耳で確認しながら手作りしていたので、ビンテージは良い楽器として作りあげられているという事になります。
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③作る場所、環境
これは②と近いですが、ギターの製造工場が変わったりする事によって、音が変わってしまうというのがあるようです。
例えば「Guild(ギルド)」というメーカーは、1952年に出来たメーカーで人気を博していたのですが、1970年代前半に創業者の方が亡くなられました。そういう事態もあり、作る場所、スタッフ、企業理念も変わっていき、音の変化に繋がっていったのでしょう。今ではあのエレキギターて人気のフェンダー社に買収されております。なので50年代後半の「Guild」とかも持ってたら、すげー、とか言われちゃうんです。
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まとめ①
そんな色々な事がかさなり「ビンテージ=素晴らしい」が浸透しているんです。どのメーカーも大きなターニングポイントとしては1970年中頃かなと感じています。70年代後半以降、80年代に向けて、エレキギターサウンドや、シンセサウンドが一世を風靡して「アコギ=ダサい、軟弱」的空気になっていたようです。僕自身、1972年生まれなので、音楽を聴き始めたのが80年代後半、確かに、シンディーローパーとかデュランデュランとか、ディスコミュージックが至る所で鳴り響いてたかもしれません。
まとめ②
「ビンテージ=素晴らしい」は否定しませんが、「新しいもの=素晴らしくない」ではありません。いろんな技術が発展して、どうすれば良い音がするのか、時代にあった音がするのか、というのを各メーカー試行錯誤しています。「材質」のハンデは大きいですが、何より新しいギターの良いポイントは、
- ユーザビリティがいい
- 頑丈
- ピックアップ(マイク)が研究されている
- 修理に出しやすい
- デザインが豊富
があります。(ある程度の価格帯のもののお話し)
たくさんの人が出入りするライブハウスではビンテージギターを持ち込むのは不安で仕方ありません。
どのギターが今の自分の環境、興味にあってるかを選んで弾いてあげるのが、ハッピー ギター ライフなんだと思います。
James Taylor
Eagles
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