夢を追いかけて
「ギター一本で飯食っていくぜ!」と夢を見て、全てに唾を吐き捨てた10代。「俺の紡ぎだす魔法のメロディーと歌詞に人々は絶対涙するんだ!」とほぼ手ぶらで上京した20代前半。「事務所が見つかったよ、これで一生ミュージシャン、俺の人生安泰さ!」と有頂天だった20代後半。「経験を生かして別ユニットや、自社レーベルでも立ち上げようぜ!」と手を広げ、心躍らせた30代。新陳代謝、世代交代の波を受け、仕事激減、言い訳だけうまくなり、疲れ果て途方に暮れ、ふるさとの事ばかり考え出す40代。
上記は僕の事ではありません、まぁ、同じような感じですが(汗)ミュージシャンが辿る、なんとなくの道筋を、僕の想像で書きました。
もちろん、だんだん売れていく人や、途中でオリジナルのビジネスモデルをひねり出し、一抜けしていく人もいますね。ただ、音楽業界にしがみついてきたものの、実際かなりのミュージシャンが「純粋な音楽」の仕事だけで食えなくなってきています。この場合の「純粋な音楽」の仕事というのは、演奏(ライブ、レコーディング)、または自分で表現するアーティストの事とします。
夢をあきらめて夢をつかんだ男
僕の友人で10年前くらい前に、目指していたミュージシャンをキッパリやめて別業種に転職した男がいます。その男はミュージシャンとしては全くの無名で、ファンもほとんどいない、東京でバイトをしながら、音楽活動をギリギリの生活の中続けていました。
彼はシンガーソングライターで、とても良い曲を作ってはいたのですが、いかんせん歌が、音程もリズムも悪く、ライブになると曲の良さ、歌詞のリアリズムを伝えられない、勿体ないシンガーでした。ただ、関西出身というのもあるのか、MCは面白かったなぁ、調子の良い悪いはあったけど。
そんな彼ですが、30歳過ぎまで粘って頑張ってましたが、自分の可能性に限界を感じ音楽を辞めて就職する決意をしました。
SPONSORLINK
転職
彼は中古車販売の営業職につきました。
就職してからの彼にはあまり会えておらず知人を通しての情報ではありますが、持ち前の明るさ、突進力で、営業成績も良く、かなりの速さで出世していったようです。
そして数年で独立、今では飲食業にも進出する準備をしながら、趣味でバンドとかやっているらしい。
音楽一本で動いていた時より、良い(高い)ギターと広い(高い)スタジオで伸び伸び大好きな音楽と向き合っているようだ。
そんな彼と実は少し前に会うことが出来た。
まぁ、風貌こそ少し残念!?な感じになってしまっていたが、表情はあの頃より生き生きしていたな。
彼に、転職に関して聞いてみた。
なるほど、説得力あるね。たしかにマニュアル通りの説明しか展開してこない営業マンより、自分しかできない話をしてくれる人の方がキャッチーだよね。
ミュージシャンからの転職を探してみる>>はたらいく
音楽スキルを利用した職種をいくつかご紹介
音楽学校の講師
①ボイストレーナー、楽器の先生ですね。専門学校や街の音楽スクールの門を叩くのが早いですが、ギャラは安めかなぁ。街のボーカルスクールなんかは時給1500円前後。ただ、音楽の先生やってるというと、田舎の親類達には何となく顔は立つ(多分)
②個人でスクールを立ち上げると利益に関しては夢は広がるけど、個人スクールが乱立してるから、いかにオリジナリティを出すかが勝負。やるならしっかりした規模で立ち上げた方が長続きすると思う。楽器屋に「生徒募集」の貼り紙をして集めるのも有効的だけど、それだと毎月安定した生徒さんを確保しにくいと思いますね。あと、講師のプロフィールに頼っているところをよく見かけるけど、プロフィールより、人間性が良い方が生徒さんは長く通ってくれるかも。プロフィールだけ分厚くても、人間が薄いと直ぐ離れて行っちゃうね。
スクールのサイトとかはあるといいですよね。
レコード会社のディレクター
ひと昔前はミュージシャンとして一線を離れた人が転職しやすく、印象も良い職業だったと思います。ただ、今はデスクで座ってるだけの人材は必要とされてないので、未来は暗いかも。
技術職のレコーディング、ライブエンジニア
レコーディングエンジニアも仕事減ってきたよね、音楽の制作費が減ってきたから、作曲家や編曲家が自宅スタジオでやってしまうパターンが多い、良くない傾向だけどね。エンジニアさんは一部の売れっ子に仕事が集まる傾向にあるね。
ライブのエンジニアさんは、CD業界壊滅で、ライブ事業はどこも力入れてるから、働き口はあると思います。ただ、すぐ真ん中に座ってPAが出来ると思わないように。
コンサートスタッフ
ここも仕事内容を選ばなければ人手は不足してるから働き口はあると思う。
声優
思い切って「声優」さん。歌手を目指してたのだったら「声」には自信があるのかもしれない。歌そのものがあまり得意じゃなくても、声を活かす職業はある。今人気の「声優」だ。
僕が音楽プロデュースを務める声優養成所があります。←おススメです!
ベジータ役「堀川りょう」が直接指導のインターナショナルメディア学院
興味のある方は資料請求だけでもしてみてください。
楽器屋さんの店員
ここは逆にミュージシャンあがりの人にやってほしい。楽器屋の店員さんってもちろん素晴らしい知識を持っている人もいるけど、本で勉強して現場に立ってない、業界未経験者が多いから。そういう人たちのアドバイスより、現場で戦ってきた人のアドバイスを聞きたいのです。
楽器テクニシャン(機材メンテや音作りのプロ)
知られていない業種だけど、この人たちがいないと回らない現場もあるのではないでしょうか。売れっ子の現場にいくといますよね、当然予算もかかるから
その他
あとは、音楽出版社とか、著作権管理会社とかね、ちょっと別の専門知識だけどゲーム制作、アニメ制作も遠からずですよね。
まとめ
この記事内で紹介した、「夢をあきらめて夢をつかんだ男」の生き方は今の音楽業界では賢いのかもしれません。しがみつかず副業でもやりながら、ゆとりある音楽ライフを送ること。これを邪道という人も今はいないだろうし、そもそも音楽ってもともとは「道楽」なわけだから。
楽しめなければ音楽じゃないと思う。
ミュージシャンからの転職を探してみる>>はたらいく
彼が好きだった一曲
ロッド・スチュワート
聴き放題サービス「Apple Music」で聴いてみる。
ミュージシャンを目指して右往左往、試行錯誤した10年近い日々は誰にも真似できない宝の日々だった。その経験談を、プライドとか照れとかなく、お仕事としての話術に入れ込むことが出来れば、人間味溢れるトーク、営業、仕事が出来るんだよ。