
はじめに
ちょっといいアコギが欲しい!」そう思った時に必ず選択肢に挙がるのが、「Gibson」と「Martin」です。Gibson、Martinはアコギを弾く者にとって憧れのブランド。いつかは手にしたい存在ですよね。
ただ、高価な買い物だからこそ失敗したくないというのが本音。正直どちらが良いか分からず、なかなか手が出せないという方もいるでしょう。
両社の代名詞であるギター、「Martin D-28」と「Ginson J-45」の特徴を比較します。どちらにしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください!
Gibsonの歴史
まずは、Gibsonの歴史について。その歴史は、1894年にまで遡ります。
職人であった「オーヴィル・ヘンリー・ギブソン」が、ミシガン州でマンドリンの制作を始めたことで、Gibson社が設立されました。その後、レスポールを始めとするアーチトップギターで成功を収めた同社は、Martin、Fenderなどと並ぶ世界のスタンダードブランドに。日本でも高い人気を得ています。
Martinの歴史
Martinの歴史は、1800年代のドイツに始まります。家具職人の家に生まれた「クリスチャン・フレデリック・マーティン」は15歳の時、ギター作家だった「ヨハン・シュタウファー」に師事。ギター作りを学びます。
その後、ニューヨークに移住して本格的にギターの製作を開始。第二次世界大戦後には、カントリーやフォークなどの流行もあってギターの生産数が増加。Martinのギターは、世界に名を馳せることになったのです。
その後、業績の悪化がありつつも、現在では不動のアコギブランドとしての地位を獲得しています。ギブソンの歴史も長いですが、Martinの歴史はおよそ200年。どんな業種であっても、ここまで続く企業はなかなかありません。
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Martin「D-28」とGibson「J-45」を比較
では、両社の代表モデルである「Martin D-28」と「Ginson J-45」の特徴を比較してみましょう。
Martin「D-28」の特徴とは?
では、D-28の特徴について。
Martin D-28
D-28は、数あるMartinのアコースティックギターの中でも「スタンダード」とされるモデル。エルヴィス・プレスリーやニール・ヤング、ボブ・ディランなど超有名アーティストにも愛用されているギターです。
発売は1931年。マイナーチェンジはあるものの、「発売当時とほとんど仕様がかわっていない」というのもこのギターの特徴。すごく歴史を感じますね。
Ginson「J-45」の特徴とは?
お次はGibsonの名機、J-45について。
Gibson J-45
J-45の発売は1942年。D-28よりも発売は後ですが、それでも80年近い歴史があります。こちらも、世界中の名ミュージシャンたちから愛用されてきた一品。「ギブソンのアコギといえばJ-45!」というくらいスタンダードなギターです。
両者を価格で比べてみる
では、まず両者の価格を比べてみましょう。
販売している楽器店によって価格は異なりますが、おおよそ以下の表くらいの値段です。
D-28 | 22万〜28万くらい |
J-45 | 27万〜30万くらい |
※現行品を新品で購入した場合
そこまで大差はありませんが、どちらかというとJ-45の方が安いかなという印象。価格では、J-45の勝利ですね。
サウンドで比べてみる
では、気になるサウンドについて。両者の音色について、以下の表にまとめます。
D-28 | ・粒立ちがはっきりしている ・高音が綺麗に出て温かみがある ・サスティーンが長い ・音の線が細め |
J-45 | ・Martinに比べると、音が太い ・低音が出る ・かなりパーカッシブ ・ジャカジャカしたドライな音 |
簡単に言うと、Martinの方は「万人ウケ」する音ですね。鈴を鳴らしたような綺麗な音色が特徴で、誰に言わせても「いい音」がします。
対して、GibsonのJ-45には少しクセがあるのが特徴。低音が強くパーカッシブなサウンドは、アコギの音ではなく「ギブソンの音」と称されることも多いです。焼酎で例えるならマーチンは麦、ギブソンは芋という感じでしょうか(笑)
両者に向いているプレイとは?
では、両者に向いているプレイはどんなものなのでしょう?表でまとめてみると、
D-28 | ・指弾き ・ピック弾き(アルペジオなど) |
J-45 | ・ピックでジャカジャカ弾き ・指弾き(マーチンよりも繊細なニュアンスは出ない) |
という感じ。マーチンは音の輪郭がはっきりしている、かつ温かみのある音なので「指弾き」にはピッタリ。ピック弾きでも、アルペジオなどの単音弾きは綺麗に決まります。
対してJ-45は、ピックでジャカジャカ鳴らすのに向いています。もちろん指弾きもできなくはありませんが、繊細な感じを出すのは難しいかもしれません。「弾き語りだけど、ロックンロールだぜ!」みたいなプレイヤーには、J-45でしょう。例を挙げれば、斎藤和義なんかがまさにそういう使い方をしてますね。
両者に向いているジャンルは?
続いて、両者に向いているジャンルについて見てみましょう。
D-28 | ・ブルース ・弾き語り(指弾き) ・フォーク ・歌もののロックなど |
J-45 | ・ブルース ・フォーク ・弾き語り(ジャカジャカ弾き) ・ロックなど |
対応しているジャンルを挙げましたが、Martinに関してはほぼオールジャンルOKです。どこにでも馴染む音なので、音楽の持つ良さを壊しません。ただ、線が細めなので、あまりうるさいエレキギターの中だと埋もれてしまうかもしれませんね。
J-45に関しては、男らしい音楽に向いています。泥臭いブルースや、ジャカジャカ系の弾き語りなどですね。低音が出るので、エレキの中でも埋もれないのも特徴。ギターロックにも対応できますよ。
結論、MartinとGibsonは役割が違う!
MartinとGibsonの特徴についてまとめてきましたが、結論、両者は役割が違います。
個人的には、本当にどちらもいい音なので、一概にどちらがいいということは言えません(笑)GibsonにはGibsonの、MatinにはMartinの良さがあります。なので、自分のプレイスタイルや好みの音を参考に決めるのがいいですね。
関連記事>>ジャパンヴィンテージの魅力とは「Gibson」や「Fender」だけじゃない!
買うなら絶対に試奏してみよう
MartinかGibsonで迷われている方は、お店で試奏してみるのがいいでしょう。正直、ギターを買うなら試奏はマスト。実際に音を聞いてみてわかることもありますし、体への馴染み具合も違います。そして何より、通販で買うよりも愛着が湧きますからね。
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まとめ
MartinとGibsonの特徴を比較しました。
D-28、J-45ともに「いいギター」であることは間違いありません。ただ、
・D-28は繊細な音
・J-45は太めの音
が出るので、プレイスタイルや好みに合わせて選ぶのがおすすめ。もちろん、「見た目が好き!」という単純な理由も大事。見た目が好きでなければ、そのギターを弾く気になりませんからね。そして、最後は必ず試奏してみましょう。素敵なギターとの出会いがあることを願っています!
斉藤和義
奥田民生
Eric Clapton
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