
はじめに
レコーディング機材の小型化が進み、パソコンと、オーディオインターフェイスとマイクだけ持っていけば、どこでもレコーディングが出来てしまう!なんて言って、各メーカーから様々な機材がリリースされている。
値段もどんどん安くなってるし。
パソコンも小さなものでも、かなり高スペックだしね。録音時のレイテンシー(遅延)も気にならなくなってきた。
そんな時代だからか、大きなスタジオがバタバタ閉鎖している。そして、その昔、家宝とも言えるような高級、大型機材がゴミ同然でオークション等に出品されている。
古き良き音楽業界も知っているだけに、若干寂しいが、時代に着いていかないと、完全に振り落とされるから、嘆いてもいられない。
モバイルレコーディング
僕がモバイルレコーディングで愛用しているセットは、Macbook Airと、インターフェイスは、Universal Audioさんの「Appolo Twin」でした。
インターフェイスの「Appolo Twin」には何の不満もない。音も、操作性も、UAD(プラグイン)が動かせるのも魅力だ。
暫くこの組み合わせでいくのかなと思っていたが、つい先日、ここ4.5年、音楽制作を担当している名古屋のアイドル「dela(デラ)」のレコーディングの時のことだ。
「dela」に限らず、大人数のアイドルグループをレコーディングする際は、時間借りのスタジオを使用しない。理由は、大人数いるため、それぞれのスケジュールがバラバラで、ひとりひとり順番にスタジオに来てもらうというスケジュールが組みにくいから。
途中で2.3時間空いてしまったりするのがザラで、スタジオ使用料がもったいないから、僕はスタジオじゃない会議室に機材を持ち込んで臨時スタジオを作っている。
急遽、タイアップの関係でレコーディングが決定して、いざボーカルレコーディングに向かおうと思った時、愛用しているモバイルインターフェイス「Appolo Twin」を静岡のスタジオに置いてきていることが発覚!?
途中で取りに寄ってから行くか、迷っているとき、目に飛び込んできたのが、「iZotope」がリリースした、モバイルレコーディング機材「Spire」。

iZotope社「Spire」
実は数か月前に、「どこでも手軽にレコーディング!」的なキャッチコピーに惹かれ、ポチっていたのだ。
当時は、マルチ録音可能な、ICレコーダーくらいに思っていたから、いつか使おうと、部屋の隅にほぼ触らず状態で置いてあったのです。
「Spire」だけど、機器自体にマイクもあるけど、キャノン端子もついてるし、ファンタム電源(48V)もあったよな、、と、淡い期待を膨らませ、ケースから取り出し、触ってみる。
Wi-Fiでスマホ(タブレット)アプリと繋いで、操作出来る。
テスト録音したりしてみたら、これいけるかも!となり、
- Spire
- ipad pro
- コンデンサマイク
- ケーブル類、スクリーン
- ヘッドホン、イヤホン
だけ持って、新幹線に飛び乗った。ヘッドホンは大きめのサイズのを持っていったが、僕がデイレクション、確認する用は、イヤホンにしてみた(笑)
マイクは、これもモバイル時に愛用していますが、「LEWITT」という、ウィーンのメーカーが出しているマイク。
コンパクトだし、音も気に入っている。あと、ウインドスクリーンがマイクに被せるタイプなので、これも利便性がいい。

▲裏面もスッキリしていますね。
まとめ
結果ですが、「Spire」モバイル機器として最高でした。
パソコンと、インターフェイスで操作するより、慣れていないはずなのに、逆に早く進行できた。

ただ、今回、ソロシンガーじゃなく、大人数のグループだったので、ソロトラックの音質をそこまで追求することがなかったので、安心して使えたというのもある。
ソロボーカリストのニュアンスをどこまで拾ってくれるかは、今後確かめていきたい。
後は、トラック数が8までしか使えないので、大人数グループの際は、その都度書き出すか、別セッションで進行するしかないというのが、ちょっと気になったけど、価格から考えたら、素晴らしいの一言。
今回はタブレットの広い画面で操作しましたが、iPhoneなどのスマホでも録れるので、慣れてきたら、もっとコンパクトに出来るはず。
今後、いろいろな所が改良されていくと思うので、このシリーズ楽しみです!
「Spire」本当におススメ!是非、使用してみてください!